(洛中) 輪形地蔵 わがたじぞう |
正行院(猿寺)
正行院は京都駅に近い旧竹田街道沿いの浄土宗捨世派のお寺ですが、俗に「猿寺」と呼ばれ悪事、災難が去る(猿)寺として有名です。
寺伝によると、昔この地に信心深い人がおられ、ある夜の夢に一人の老僧が現れ「我は牛馬の労苦を救うために久しく泥の中に身を沈めていたが、これからは一般の人々も救済したいと思うから早く掘り起こしてくれ」といわれて夢が覚めました。
不思議に思って翌朝家の前の道路をみると、敷石の間から一筋の光明を放っていました。さっそく掘り起こしてみると、背中に輪形のついた地蔵石仏がでてきたのでひとまず我が家に移して祀っていましたが、後に竹田街道脇に小堂を建てて「輪形地蔵」として崇め祀ったと言われています。
明治五年(1872)辻堂廃止令により、正行院に移されました。
参考引用掲載 京のお地蔵さん 竹村俊則著
写真 ro-shin