(洛中) 槌留地蔵 つちとめじぞう |
西園寺 地蔵堂内
上京区寺町通鞍馬口下ル高徳寺町362
高さ約2m、右手を垂れ左手に宝珠を捧げる古様で、鎌倉時代の様式を伝えています。背後の壁面に地獄、極楽を描いた障壁画があります。天明年間(1781~89)小泉直晃の作と伝えられています。
一に「槌留地蔵」または「土止地蔵」と言われるのは、寺伝によると、恵心僧都(えしんそうず)の地獄極楽を説いた教えの清流を土留めて、転輪聖王地蔵菩薩として再現したからだといい、悪事を打ち止め、善事に励ますとの願いを込めて名付けられたものといいます。
当寺は承久の変後、鎌倉幕府に推されて太政大臣となった藤原(西園寺)公経(きんつね)が、元仁元年(1224)、北山の山荘(北山殿)に一宇の仏堂を建立し、西園寺と号したのにはじまります。
それより西園寺の菩提寺として、本堂、功徳蔵院、善積院、妙音堂、不動堂、五大堂など多くの仏堂が造られ壮観を極めましたが、足利義満が北山殿(金閣寺)を営むにあたってその地を所望したため、室町頭へ移り、その後現在の地に移転されました。
参考引用掲載 京のおじぞうさん 竹村俊則著
写真 ro-shin