浄国山 金光寺 |
ある夜、童子が清盛の枕元に顕われて「兵庫の海中に霊仏があるので探し出すように」との夢告をしました。そこで清盛は早速兵庫大輪田の海に網をくだしたところ果たして海中から金色の光もまばゆい黄金薬師尊が出現しました。
清盛はその霊験と霊徳にいたく感心され「これぞ当地の守護物ならん。永く地を定め一宇を興して安置し祈願せん」といって当地に大伽藍を建立したのが当時の草創と言われています。
薬師如来は正式には「薬師瑠璃光王如来」といいます。
当寺は、本尊の黄金薬師にちなみ、その金色のまばゆい光から寺号を金光寺とし、その霊光はあまねく国の内外を照らしすべてのものを浄め、世の人をみちびき給うところから山号を浄国山としました。
現在、本堂には薬師如来と脇侍の不動明王、弘法大師像がお祀りしてあります。
この薬師如来は外仏であり、一寸八分の海中出現の本尊は、一寸五分の日光・月光両菩薩、一寸三分の十二神将とともに厨子に安置されたうえで、外仏の胎内に納められています。
(一寸は3.03㎝)
本尊は寺伝によって一般にはご開扉されていません。
参考資料<摂津国八十八所巡礼>
写真 ro-shin