湯たく山 茶くれん寺 (浄土院) |
寺伝によると、天正十五年(1587)10月1日。天下統一を目前にした豊臣秀吉が、九州平定と邸宅の聚楽第(じゅらくだい)の完成を祝い、北野天満宮境内の松原で催した茶会「北野大茶湯」の道中、秀吉が浄土院に立ち寄ってお茶を所望しました。一杯目は茶を出した住職でしたが、お代わりを求める秀吉に二杯目からは白湯(さゆ)を出し続けました。住職は、高名な茶人でもある天下人の秀吉に未熟な茶を出し続けるのは失礼だと寺にわき出る水をそのまま味わってもらおうと考えたのでした。最初は驚いた秀吉も、そのうちに住職の思いを悟り、笑いながら冒頭の「茶くれん」の話を言い出したのだという。嘉保二年(1095)の建立以来、初代を除くと先代まで十七人の住職は女性と伝わる。秀吉と相対したのも、機転のきく尼僧だったのだろう。
参考引用掲載 湯たく山茶くれん寺HP
写真 ro-shin