<人はなぜ苦しむのか ①> |
人間とはなにか、なぜ苦しむのか、苦しみを生むものは何か、と仏教は考えます。
そして一つの結論を導きだしました。
それは煩悩に執着する事が誤りではないかと・・・・
煩悩とは身体を煩わす「煩」と、心を悩ます「惱」を会わせた言葉で百八種類、八万四千の煩悩があると言われています。
除夜の鐘を百八回撞くのは、煩悩を打ち砕き消し去るという意味があります。
すべての煩悩を消し去り新しい気持ちで新年を迎えようという希望から生まれたそうです。
百八種類の煩悩の中に、根本煩悩といわれる六つの煩悩があります。
☆むさぼりの心をあらわす「貪」とん
☆いかりの心をあらわす「瞋」じん
☆知恵のない心をあらわす「癡」ち
☆自他を比較する心である「慢」まん
☆疑う心である「疑」ぎ
☆よこしまな心である「悪見」あっけん
この煩悩の中で泳いでいるうちはまだいいけれど、執着すると苦しみに転化して行きます。
人は苦しみ始めます。ここではじめて迷いから抜け出すか迷いの中に溺れてしまうか選択する事になります。問題は固執する心なのです。
人間は今、自分がどの道を歩いているかを知る事だと言います。
仏教では人間は六つの道をさまよいながら生きていると説いています。
☆地獄道
☆餓鬼道
☆畜生道
☆修羅道
☆人間道
☆天上道
これはそういう道が実際にあるのではなく人間が作り出す意識の世界なのです。
続きます。
<参考 引用 三浦俊良著『東寺の謎』詳伝社より>