<第八仏 観世音菩薩> |
人が亡くなってから百日目を『百ヶ日』といい、冥界へ第八番目の関所に相当します。観世音菩薩はここで登場する仏さまです。
(観音信仰について)
日本に観音信仰が始まったのは、飛鳥時代の頃からです。
観音霊場は三十三ヵ寺となっているのは、観音様は三十三に化身するところから来ています。
主な観音
聖観音・・・観音の基本形。
阿弥陀如来の脇侍の観音。 左手に蓮華の蕾をもち右手でそれを咲かせようとする形が多いです。悟りきれない人々の煩悩を開かせてくれます。
十一面観音・・・十一の利益を与えるといわれる観音。
頭の上に十一の小顔を乗せていて正面には三つの穏やかな慈悲の顔。左に三つの憤怒の顔。 右の三つは牙をむいた顔。後ろに大笑いの顔。 頂上に如来の温かな顔。すべての悩みや病苦、悪心を取り除いてくれるといわれます。
千手観音・・・全ての衆生に利益と安楽を与えてくれます。
千本の手にそれぞれ目がついていて、正しくは千手千眼観音といいます。この世のあらゆる出来事を見通し、救済の手を差し延べるという誓願を持つことから慈悲の心が無限であることを示します。手を千本作るのは大変なので42本とするのがほとんど。
唐招提寺金堂・写真掲載(西村公朝 著 日本放送出版協会)
准胝観音
厄除け、延命、降雨祈願、子授けなどの功徳があるといわれます。
三つ目に1本の手を持つのが普通。2,4,6,8,10,12,32本の手に作る例もあります。彫像は少ないです。
如意輪観音
如意輪宝珠と法輪の力で衆生の苦しみを救い、願いをすべて 叶えてくれる。 手は多くは6本で、右の第2手に宝珠、左の第3手に法輪を持ち、 右の第1手をほほにあてています。
馬頭観音
慈悲の観音と呼ばれていますが、憤怒の形相をしています。 諸々の悪を食いつくし生死の全ての苦しみを断つといわれています。 戦争や災害の除去にも功徳を示します。 顔に三面、8本の手、頭上に白馬の首を載せるものが多いです。
今は、交通安全や、動物愛護を祈願する。
参考資料(おおさか十三佛巡礼)