西国薬師巡礼<第10番 高野山 龍泉院> |
りゅうぜんの たえぬながれは とこしえに
くめどもつきぬ のりのともしび
龍泉院はその北側にあります。
弘法大師が日照りが続いた時に善女龍王を勧請して雨乞い祈願をされ降雨に導いた霊跡によって、龍泉院と言う名前がつけられました。
また、弘法大師の高弟、真雅僧上が阿字観を修せられた霊験あらたかな古刹で、楠木正成、毛利元成、佐々木高綱などの帰依が厚く源家や織田家などの檀縁が深いといわれています。
和歌山県伊都郡高野町高野山647 ☎0736-56-2439
●本尊 薬師如来●開山 真慶律師
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法話
正しい信仰とご利益 龍泉院住職 楠 公延
私たちは、この世で幸せな楽しい生活をするために神社、仏閣にお参りします。またこの世に生をうけた恩を感じ、ご先祖さまの供養に寺参りをします。
それぞれの寺には本尊さまをおまつりしてありますが、寺によってその本尊さまはまちまちであります。
観音菩薩(観音さん)阿弥陀如来(阿弥陀さん)大日如来(大日さん)不動明王(お不動さん)薬師如来(お薬師さん)などたくさんの仏さまを本尊にしております。
薬師如来は日本に仏教が伝来した聖徳太子の頃より現世利益の仏さまとしてよく信仰され私たちが最も恐れている死につながる病気から救ってくださる仏さまとして観音さま、お不動さまと共に親しまれています。薬師如来の御誓願(おかげ)は十二大願を説かれております。
即ち、知徳をさずかる、心身の安定、貪慾をのがれる、偏見誤解をしなくなる、病気を治してくれる。衣住の安定、正しい信仰に導いてくれる等、現世において幸せな楽しい生活が出来るように導いてくださる仏さまです。中でも病気を治してくれると言う利益は私たちの日常生活で最も大切な事であります。
このように薬師如来は、私たち日常生活の心配ごと、悩みごと、とくに病気を治してくださるご利益をお持ちですが、拝む私たちの信仰が正しい信仰であって初めて『おかげ』をいただけるものです。
幸せな生活を願って正しい信仰、清らかな信心をおすすめいたします。
<参考引用掲載> 西国四十九薬師巡礼 朱鷺書房