西国薬師巡礼<第42番 小塩山 大原院 勝持寺> |
み仏の 瑠璃の光の 花の寺 めぐみもひらく ときにあふかな
とうたっています。
人生をこだわらず、とげとげ、くよくよすることなく、芯から楽しく生き、西国薬師霊場13番の弘川寺においてその生涯を閉じました。
この寺は役行者神変大菩薩が天武天皇の勅命によって開かれたのがはじまりでその後,延暦十年(791)、比叡山延暦寺の坤(ひつじさるの方角・南西)にあたるこの定に伝教大師最澄が訪れ天台宗の道場にするため、薬師如来を祀り堂塔伽藍を再興しました。
仁明天皇の承和五年(838)には、勅願によって塔頭四十九院が次々に建設され、寺勢が奮い大寺として名実共に充実していました。また、足利尊氏が六波羅(京都鴨川の東、五条と七条の間の地。平家一門の居宅六波羅殿があった)を攻めるとき、当寺に宿をとり、住職から寺名をしるした旗竿を献上され「勝って持つ」との縁起の良さに大いに喜びました。
その後、足利氏の庇護をえて、寺勢ますます盛んになりました。
しかし、応仁の乱で建物のほとんどを焼失しただ仁王門を残すのみとなりました。
現在の建物は兵乱後に再建されました。
京都市西京区大原野春日町1194 ☎075-331-0601
●本尊 薬師如来●開山 役行者
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法話
宇宙と人間の存在 勝持寺住職 中村真澄
広大にして無辺なり。仏さまの世界もそうであるが、現象界の宇宙もそうである。太陽系__銀河系___約一億五千万光年のかなたに銀河がたくさん集まっているところがあると言われる。
一光年は、光が一年間に達する距離である。キロにすると九兆四千六百七十億㌔になり遠い遠いところである。
ボイジャ−2号は太陽から四十五億㌔も離れた海王星の写真を送ってきた。
その電波が地球に届くのに4時間かかると言う。宇宙は広く大きく永い永い時間をもっている。
大宇宙の中の一つの星が地球であり、その中に我々人間が存在している。
地球の文明はまだまだ発達するであろうが、永い永い時間の後には、地球もなくなってしまうであろう。それでは人間の存在とは何であろう。
この世に生まれたいと自ら望んで生まれた人はいないのである。家も両親も我が顔かたちも何一つ注文できずに生まれたのである。
いや「生かされた」のである。しかもこの身体が朽ち果てるまで、あらゆる煩悩に悩まされ、病気にもかかり、苦しみながら生きなければならない。何ゆえに!
それは、仏さまの大きな慈悲である。過去世の罪業を消滅させるがため、それぞれの罪に応じた境遇に生かし、修行を重ねて浄土に帰さんがためである。
日々の生活の中で、小さなことにとらわれず、徳を重ねるよう修行をいたしましょう。
<参考引用掲載> 西国四十九薬師巡礼 朱鷺書房