【求子・安産】 子安山 帯解寺 |
この帯解寺は勤操大徳が開基し、巌渕千坊の一院で霊松山と呼ばれていました。ご本尊の裙帯地蔵菩薩(くんたいじぞうぼさつ・重文)は弘法大師一刀三礼の作と伝えられ、像高さ188cmの慈愛を秘めた大きな座像です。
今から千年ほど昔、文徳天皇の染殿皇后(藤原良房の娘)は長いあいだ子供ができず大変悩んでいました。ある夜の事、皇后が寝ていると夢の中に藤原氏の祖神春日明神があらわれて「奈良から南へ一里行ったところに小さな寺がある。そこの地蔵尊の体に帯を巻き付け、その帯を皇后の体に結び、さらにそれを解いたならきっと安産になるだろう」と告げました。
その事を聞いた天皇はさっそっく勅使をたてて霊松山の地蔵尊に祈願しますと皇后はまもなく懐妊、惟仁親王(後の清和親王)を出産しました。大変喜んだ天皇は天安二年(858)春、伽藍を建立し寺号を帯解寺に改めました。
そののち江戸時代になって、三代将軍徳川家光に子供がなかったため御楽の方ががご本尊に祈願して竹千代丸(後の四代将軍家綱)を安産。そのおりさまざまな瑞祥があったので「瑞祥記」を下賜し、仏像仏具を寄進しました。
近くは平成三年秋篠宮紀子さまに岩田帯やお守りなどを献納、真子内親王が安産されています。求子、安産に霊験あらたかな帯解子安地蔵はますます広く信仰されるようになりました。
奈良市今市町1-734 ☎0742-61-3861
参考引用掲載 関西ご利益の寺社