奈良県王寺町に達磨寺はある禅寺です。
本堂には千手観世音菩薩像を中心にして左側に聖徳太子摂政像、右側に達磨大師像が安置されています。ここは太子が達磨大師と初めてあった地とされています。『日本書紀』によると推古天皇十一年(613)太子が斑鳩宮からほど近い片岡山にやってくると、一人の飢えた旅人が道に倒れていました。太子はあわれに思って食べ物を与え上着を脱いでかけてやりました。翌日気になった太子が使いをやるとすでに死んでいて、太子は大いに悲しみその場に埋葬して塚を築かせました。
数日後太子は側近に「あの人は普通の人ではあるまい。きっと聖人だろう」といって墓を見に行かせました。するとその屍はなく、太子が与えた衣だけが棺の上に畳まれて置いてありました。太子は使者が持ち帰ったその衣を、何事もなかったように再び身に付けました。人々はおどろいて「聖(ひじり)は聖を知るというが本当なんだなあ」と言ったといわれました。
またその飢人は頭は大きく顔も耳も長く異相の持ち主で細い目の奥には金色の光を宿し身体からは馥郁(ふくいく)とよい香りが匂っていました。後世、この人こそ有名なインドの禅僧達磨大師の化身だったという伝説が生まれました。
問答石
薬師石(目を閉じて石を抱くと病気が全癒するといわれる)
奈良県北葛城郡王寺町本町2-1-40電話0745-31-2341
参考引用掲載 聖徳太子の寺を歩く
写真 ro-shin