(洛中) 泥足(どろあし)地蔵 |
善想寺 地蔵堂内
中京区六角通大宮西入ル tel075-841-1658
ある時、ひでりで田植えができず、村の農民達が困っていると、日頃からこの地蔵尊を信仰する作兵衛という農夫が三日三晩にわたって雨乞いを祈願したところ、たちまち雨が振り出し田を潤しました。
喜んだ農民達は我先にと植え付けに励みましたが、作兵衛は折悪しく腹痛を起こし田植えができませんでした。
翌朝田圃へ行ってみるときれいに田植えが済んでいるのです。聞けば、昨夕、一人の僧が植え付けをしていたというので、不審に思って地蔵堂へ行ってみると地蔵尊の腰から下、足にかけて一面に泥まみれになっているのを見てびっくり仰天、さては地蔵尊が自分の身代わりとなって田植えをしてくれたことを知り、いよいよ信仰を深めることとなりました。 また、この話を伝え聞いた人は、それより「泥足地蔵」または「田植地蔵」とよぶようになったと言われます。
その後、この地蔵尊は天正十五年(1587)当寺の開山正誉上人によって坂本より当地に移され、境内の地蔵堂に安置されました。 当寺は毎月23日を地蔵の縁日として、願い事を書き記した紙片を読み上げ、祈願成就を祈る習わしがあります。
参考引用掲載 京のお地蔵さん 竹村俊則著
写真 ro-shin