熊野古道とは |
2004年7月「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されました。三重・奈良・和歌山の三県をまたがる紀伊山地の自然があってこそ、文化的景観です。
歴史をさかのぼると、平安後期の上皇たち、鳥羽上皇21回、後白河上皇34回、後鳥羽上皇28回も御幸を繰り返しています。
およそ一ヶ月をかけての苦行。参詣の道行きが難路であるほど、度数が多ければ多いほど功徳が積まれるという思想からきているようです。
熊野御幸は、宇多法皇の907年に始まっています。平安後期は末法の世で、内乱や飢饉、まともに生きていては暮らせない世の中だったようです。死ねば地獄がまっていると地獄を信じていた時代。このころに「念仏をとなえれば浄土に行ける」とといた法然や親鸞の浄土宗や浄土真宗が世人の人々を救いました。
熊野御幸は苦行だからこそいっさいの罪障が許され、黄泉の地で自らの生を蘇らせることができる極楽浄土と現世利益を説きました。
参考引用掲載 熊野古道 著者高木美千子