久米田〜泉佐野 その1 |
井ノ口王子の次は池田王子、JR阪和線久米田駅西裏あたりと推定されます。今は何も残っていませんが王子社は中井町の夜疑神社(やぎじんじゃ)に合祀されています。
駅から南東へ1km、王子跡の近くには久米田池や久米田寺があります。
山門前に展開する久米田池は周囲約4k、水面積623万7千平方メートルの壮大な池、和泉地方最大の灌漑用水池です。僧行基(668~749)が拓いた歴史遺産です。
そのころの寺領は「東は角河の流れ、春木の峯ならびに上の津川の東峯、西は松村の登路ならびに延年ヶ峯、八坂切上げを、そして北は熊野詣大道を限りに、この四至内の田畑地利を挙げて仏聖の灯油住僧の依怙となさしむ」とあり、往時の盛大さを伺い見ることができます。
(金堂)
(大師堂)
(開山堂)
開創当時、聖武天皇や光明皇后も参拝された名刹でしたが長い歳月に荒廃、その後、弘安五年(1282)後宇田院の官符により勅願寺となり法燈は再び光彩を放つが南北朝(1300年代)兵乱、永禄年間(1560年前後)の三好、畠山両氏の久米田山決戦に巻き込まれます。堂宇は廃燼に帰しながらも寺宝、星曼荼羅図、仁王会曼荼羅、楠木家文書、久米田寺文庫など重要文化財として南北朝、足利期の考証に貴重なものが少なくありませrん。
大阪府岸和田市池尻町934 ☎072-445-9261
写真 ro-shin