<第20話 大峯にて骸骨に会う・・七生の小角 4> |
すると空から
「役小角よ、よく聞け。お前はこの山で生まれ変わること七度であるぞ。そこにあるのはお前が生まれ変わった三度目の遺骸なのである。
この山にはお前の前世の遺骸が、さらに二体ある。」と聞こえてきました。
そしてまた諭すように
「おまえは千手の呪を五返、化呪を三回唱えてみよ。」といって声が消えてしまいました。
小角は目を瞑って教えに随い呪文を一心に唱えました。唱え終わると不思議にも骸骨は金剛杵と利剣を小角に授けるように離しました。
この山にある、役行者の骸骨は
第一生は身の丈が七尺五寸(2.3m)
第二生は身の丈が八尺五寸(2.6m)
第五生は釈迦岳に・・・第六生は小笹の宿に・・・
生まれ変わること七度、かれは七生であったといわれています。
小角は骸骨から授けられた利剣を、初めに発見した山の峰に埋めました。
後にこの山は、大峯山系では最も高く八剣山、あるいは後には法華経八品を納めたので八経ヶ岳とも呼ばれるようになりました。
また小角は持ち帰った金剛杵から孔雀明王の像を造って、これを当麻寺へ
納めたと伝えられています。
<参考引用 著者 銭谷武平 「役行者ものがたり」より>
<写真はKimuraさまの大峰 山上ヶ岳よりお借りしています。>
次は「一代峯(笠置山)を開く」・・・笠置山と小角です。