新西国巡礼 <客番 浄土寺> |
もうずれば この世なららの 浄土寺 るり安養の 極楽のさと
(写真パンフレットより)
浄土寺の向かいのあるのが本堂で薬師如来を祀っています。浄土堂と同じく重源上人が建てたのを、その後焼失して1517年再建されたのが現在のものです。
本堂
奈良東大寺に手向山八幡があるようにこの浄土寺にも鎮守の八幡神社がありその本殿が重文指定を受けている珍しい建物です。
この寺は行基が開かれたときは広渡寺と呼ばれていましたが源平争乱の際、兵火にかかって衰類したのを東大寺大仏殿大勧進、重源上人が復興し浄土寺と呼ぶようになりました。
兵庫県小野市浄土谷町 ☎0794-62-2651
●本尊 薬師如来 阿弥陀三尊●開基 行基菩薩●復興 重源上人
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法話
仏さまへのご挨拶 浄土寺住職 土師原堯秀
「おはようございます」「こんにちは」「お先に失礼します」「さようなら」など笑顔でかわす挨拶は、本当に気持ちのよいものです。初めて訪れたお宅であれば「ごめんください」と声をかけ、挨拶を交わしてあれこれの話がはずむというのが通常の礼儀です。
挨拶を交わすことによって人と人は互いに心を開きあうことも出来るのでしょう。
初対面の人に何の挨拶もせずいきなり「さて用件は」切り出したとしたら相手はけげんな顔をするか、なんとまあ失礼なと腹を立てるに違いありません。
仏さまは人間のようにしゃべるわけではありませんから、挨拶抜きでも一向に差し支えないだろうというのは、勿論とんでもない思い違いです。
多くの方にお参りいただくのは有り難いことですが中にはマナーを何処かに置き忘れて来た方がないとはいえません。お堂に入るなり珍しいものを見るかのようにいきなり近寄ってあちらをじろじろ、こちらをじろじろでは、阿弥陀さまも少々間が持てないのではと心配です。
そんなことでは、仏さまと心を通わすことなどできません。仏さまの前では、心を落ち着けるつもりで静かに手を合わせ、心の中だけでも結構ですから「南無阿弥陀仏」とお唱えください。そして静かに顔を上げ仏さまのお顔を眺めてみますと必ずや仏さまがあなたに何かを語りかけてくださるはずです。仏さまとの対話は言い換えれば自分自身との対話でもあるはずです。
<参考引用掲載>新西国霊場法話巡礼 朱鷺書房