西国薬師巡礼<第17番 護国山 國分寺> |
み仏の 護り給える 国分寺 ゆるぎなき世の 鎮めなりけり
国分寺の沿革は、(669)斎明天皇の命により唐より帰国した僧、道昭により創建されましたた。当時は長柄豊崎宮の旧址に、長柄寺と称しこれが国分寺の始まりとなりました。
みのり不動(実り、幸せを与えてくれる)
この朱色の鐘堂は1970年4月8日花まつりの日に起きた「天六ガス爆発」の犠牲者を供養されています。死者79人、負傷者420人という大惨事となりました。その亡くなられた方々を供養されています。このお堂の扉にはなくなられた方々のお名前が刻まれています。
大阪市北区国分寺1-6-18 ☎06-6351-5637
●本尊 薬師如来●開山 第45代聖武天皇勅願、国師勝賢
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法話
豊かな心を祈る 国分寺前管長 西口公教
「病いは気から」という言葉があります。
日ごろ健康に自信を持っていても、いつ病魔に襲われるかも知れません。高性能の新薬がどんどん開発され、科学的な治療法が進歩しているとはいえ、大切なのは本人の心構えでしょう。「病いは気から」とは病気が良くなるのも悪くなるのも、心の持ち方に大きく影響されると言うことです。
病気に関わらず大きな心、豊かな考え方が現代を生きていく上で欠かせない要件になります。人間一人では生活できません。生まれてから独立するまでは親の力にすがり、社会に出れば多くの人から直接、間接的に助けられ、老人になれば子供や他人の力に頼らなければなりません。
ところが現実はどうでしょう。社会の組織構造が多様になり複雑化するほど、人々の心はすさんできます。仕事に追われ家庭を顧みるひまもなくなってきます。自分たちのことで精一杯で、他人のことなどかまっておれない・・・・そのやり場のない心を洗ってくれるのが宗教であり、信仰なのです。
一例ですが、アメリカでは精神医学の重要性が叫ばれています。
それ程、”現代人の心”が人間らしさを失ってきていると言うことです。西国薬師霊場会が新しく発足しました。薬師如来は心身の病いを救ってくれるありがたい仏さまです。
他人の悲しみや苦しみを理解して個々の幸せが全体の幸せにつながる。そういった豊かな心で是非お参りしてください。
<参考引用掲載> 西国四十九薬師巡礼 朱鷺書房