西国薬師巡礼<松泰山 東光寺> |
南無薬師 瑠璃の光に つみとがも 心の病も 治す誓願
この厄神明王は829年嵯峨天皇が41才の時弘法大師の指導により自ら厄除祈願を行っていた時に愛染明王と不動明王の御尊体が融合一体と化して虚空の獅子座から諸々の災厄を打ち払って魔性をたいらげる霊威を夢で感得されました。
兵庫県西宮市門戸西町2-26 ☎0798-51-0268
●本尊 薬師如来●開山 弘法大師
---------------------------------------------------------------------
法話
曼荼羅世界を家庭から 東光寺住職 松田真睿
私たちは誰の世話にもならずに生きていくことは出来ません。生まれると同時に母親の世話になり着るもの一つとっても何人もの手をかけ、どれほどお世話になっているか計り知れません。にもかかわらずなかなかそのことに気つかないものです。
仏さまがたくさん描かれている曼荼羅というお軸があります。それぞれ違った特徴をもつ仏さまが数千体描かれており、お互いに補い扶け合い、整然と位置されています。
個々の仏が自分の持ち場を守り、それでいて調和のとれた仏の浄土(世界)を表しているのです。すなわち一家の中では親子、夫婦、兄弟、一般社会では近隣、会社、学校など、大きくは国と国に、物心両面において補い扶け合うことによって、私たちの世界にも、このような調和のとれた曼荼羅の世界が出来ることを教えているのです。
当寺は昔から厄年の方の祈祷寺です。ある日、厄年の男性が一人でお参りにこられこういわれました。「あなたの厄年が私たちに移ると行けないので一人で参ってきてくださいと家内がいうんです」と。この方の家族は各自、自分勝手なことしか考えていない可哀相なご家庭だと思いました。ご主人が厄年ならなぜ自分が少しでもその厄を肩代わりして難を分け合うと言う気持ちになれないものか。
家族の気持ちがバラバラだったり、もめているようではいけません。夫婦が協力しあい家族が仲良く扶け合って生きていきたいものです。人の心を造るのは家庭からです。家庭がしっかりしていれば素晴らしい子供が育ちます。まずは家庭から曼荼羅世界をお造り願いたいと思います。
<参考引用掲載> 西国四十九薬師巡礼 朱鷺書房