西国観音巡礼 <第28番 成相山 成相寺> |
波の音
松のひびきも成相の
風ふきわたす天の橋立
慶雲元年(704)周防の人真応上人がこの地に滞在していたおりにどこからともなく現れた老翁に聖観音を授けられます。上人はさっそくお堂を建ててこの観音様を本尊としたのがこのお寺のはじまりとされています。
このあたりは雪の多い所でお寺ができて間もない年の冬、降り積む雪に閉じ込められて托鉢へ出かけられない日が続きました。
食べ物はすっかりなくなって上人は餓死を待つばかりとなった時、ふと庭を見ると雪の上に生々しい鹿の片足があります。これは有難いとさっそく煮て食べ命をつなぎました。食べた後でなにげなく鍋の中をのぞいてみると肉片などはなく木屑がが少し浮いています。びっくりして本尊の観音様に眼をやると、片方の足が削り取られたようになっていました。上人の命をたすけるために観音様がほどこされたということです。
願いが必ず叶う事から成り相う寺と名づけられたとも言われ「身代わり観音」と呼ばれています。
(左甚五郎作 真向きの龍)
平成に復元された五重塔。ここから先にある弁天山の展望台からは天気がよければ若狭湾を隔てて遠く能登半島まで一望できます。
京都府宮津市成相寺339 ☎0772-27-0018