サボテンが歌を歌う話 |
体あるものは、まさに心識を含み、
心あるものは必ず仏性を具す。
拾遺雑集
これは「金剛峯寺を建立する最初に鎮守を勧請する啓百の文」のなかの一句です。
体のあるもの、形あるものは、動物、植物、鉱物に至るまで、心のはたらきをちゃんと持っている。その心を持っているものは、必ず仏さまと成ることのできる美しい性質、立派な本性(仏性)を持っていると・・・。
人間に心の働きがあることは皆承知しています。動物に感情の働きがあることもわかります。ところが植物にも心があることがわかってきました。鎌倉市の橋本先生が「サボテンの歌の実験に成功」という一文によるとサボテンにウソ発見機を改良した機械をつないで調べてみるとサボテンが歌を歌ったり、人の心の動きを読み取る超能力があるらしい、ということがわかりました。
私たちはお米や、野菜や魚や肉などをいただいて私たちの栄養として吸収できるので全く別の物であったら素通りする他はないでしょう。したがってご飯をいただく時は手を合わせて「いただきます」「ごちそうさまでした」というのは、植物や動物の生命をいただいて自分のエネルギーの元として生命を保っていくのだから、それらの生命に対して感謝の誠を表すのは当然の礼でなければ行けません。
引用掲載 弘法大師空海百話 佐伯泉澄 著者