日雄山(ひのうざん) 大日寺 |
神秘の香に包まれた五体の仏様
蔵王堂から吉水神社をへて勝手神社の鳥居を右へ石段を降りていくと山門が見えます。そこが五智さんのお寺、大日寺です。本堂を上がると平安時代そのままに金色に輝く五体の仏様が、静かなほほえみをたたえて迎えてくれます。大日如来を中央に、東に阿閦如来、南に宝生如来、西に無量寿如来、北に不空成就如来が並んでいます。これらの仏様を総称して五智如来、親しみをこめて「五智さん」と呼ばれているのです。国の重要文化財に指定されています。
これらの仏像が造られたのは平安後期、密教・浄土教思想の最盛期です。五体とも造られた当時そのままの姿で、金箔の剥落した部分はありますが、ほとんどかけたところがありません。藤原時代の五智如来が五体とも完全な姿でそろっているのは、全国的に見てもあまり例がないと言うことです。
この五智如来は天武天皇の離宮を継承した日雄寺の本尊でした。
日雄寺を開いたのが役行者の高弟・日雄角乗(ひのうかくじょう)です。吉野山最古のお寺と言われます。日雄寺は室町時代に焼失しましたが五智如来は無事に難を逃れました。そののち、五智如来を奉安するために日雄寺跡地近くに寺院を建立、大日寺と寺名を改めました。
奈良県吉野郡吉野町吉野山 ☎07463-2-4354
参考引用書籍 「役行者霊蹟札所巡礼」
役行者霊蹟札所会 朱鷺書房 写真・御朱印 blog管理人