真言は霊的威神力のある言葉 |
真言は不思議なり。
観誦すれば無明を除く。
一字に千理を含み、
即身に法如を証す。
(般若心経秘鍵)
真言(み仏のみ名とその心境を述べたサンスクリット<梵>語の神聖な呪文)はまことに不思議である。その文字の形を観じ、その意味を尋ねてよく億念するならば心の闇の迷いを除いて、心はすがすがしい清らかな菩提心が光り輝くようになる。
真言の一字一字は、施陀羅尼門(梵字の陀羅尼を次々とめぐらして観ずる観法)によっても分るように、まことに無量の道理を含んでいて、あますところがない。この真言を念誦(心に念じ、口に誦ずる)することによって、この身このまま、法の究極を悟った体得(即身成仏)することができる・・・と。
身口意の三密のなか、真言を唱えるのは、口(語)に属する。お大師様の教えを”真言宗”ということから考えてみても、特に、真言陀羅尼を唱えることを大事にする宗旨であることが分る。
引用掲載 弘法大師空海百話 佐伯泉澄著