修法の威神力の話 |
陀羅尼の秘法というのは、
方によって薬を合わせ、
服食して病いを除くが如し
(性霊集巻九・八七)
これは「宮中真言院の正月の御修法の奏状」の中の一句である。
陀羅尼というのは真言宗で唱える古代インドのサンスクリット語の経文のことで、ここではお大師様の伝えられた真言密教のことを言っている。
その秘法によって拝んだならば、例えば処方箋にしたがってその病気に効く薬を調合し、それを病人に飲ませて病気が快方に向かって治ってしまうように、効果がはっきりと出てくるものである。
いくら病人に、この病気にはこの薬が効くと、読んで聞かせても治るわけのものではなく、その病状にあった薬を飲まなければ治らないように、み仏の像の御前に座り、祭壇をこしらえて、法の如くに拝むところに本当の効果、霊験があらわれるのであると・・・。
真言宗の秘法の特色は、三密双修といって手に印(合掌も印の一つ)を結び、口に真言を唱え、心は三摩地(み仏の心境)に住して拝む修法にある。
修法に用いる印とは、手の指を結んでいろいろな形につくるものであり、その他の特殊な真言や観念は、真言密教の僧侶が阿闍梨から伝授されたもので一般には公開しないことになっている。それは、あの世の仏天が、この三密に応じて働いて下さるからで、間違った使い方をしてはならないからである。
引用掲載 後部大師空海百話 佐伯泉澄著

