【中風】 生根神社(いくねじんじゃ)上の天神 |
南瓜を食べて中風封じするということは、陰陽道からきたものだといわれています。京都鹿ヶ谷の安楽寺の南瓜供養は有名ですが、ここ大阪玉出の生根神社でも、冬至の日に「こつま南瓜まつり」が行なわれています。
冬至は陰陽道の二十四節気の一つで生物の生気がよみがえる日です。
この付近は古くは勝間(こつま)と呼ばれていました。太古のこと、茅海(ちぬのうみ、現在の大阪湾)に大津波が起こり西宮の恵比寿神社は社殿とともに海に流れました。そしてご神体は勝間の浦に流れ着いたので村人はこれを漁船に迎えて祀っていました。西宮の氏子がこのことを伝え聞いて返還を要請したので、ご神体を返して小社に分霊を奉納したのが生根神社の始めと伝えられています。この地はもと住吉大社の神領で摂社生根神社の祭神少彦名命の分霊を受け、勝間村の産土神としました。さらに明治初年の廃藩置県の際には黒田筑前守の鎮守として大阪の筑前屋敷に奉祀していた筑紫天満宮を奉還しています。
さて旧勝間村には「こつま南瓜」という特産物があり、多くの人に親しまれてきました。形が小さく美味しいということで収穫時の夏は勿論、保存に工夫して冬にもその味を楽しんでいました。1年間にとれた「こつま南瓜」を神前に供え祈祷してもらって食べます。そうすると、薄れてきた気をよみがえらせ中風除け、ぼけ祓いになると言われています。 冬至の日は、ご祈祷料を払うと小豆のあんをかけた蒸し南瓜を食べることができます。そして食べる時に用いた串を南瓜型のお札に刺して奉納。次に模型の南瓜の中で灯されたローソクの火に手をかざします。最後に南瓜を刻んだユニークな「こまつ南瓜塚」に参拝して、1年間中風にならないように祈願するするということになっています。
大阪市西成区玉出西2-1-10 ☎06-6659-2821
参考引用掲載 関西御利益の寺社
写真 ro-shin