近江西国 <第8番 青蓮山 酒波寺 さなみじ> |
●御詠歌
諸人のなべてより来るさかなみ寺
うみ山ふかき誓ひたのみて
地名は古代の安曇族に由来します。安曇川の北、新旭町に造り酒屋があります。今津町は古津(大津)に対する新しい港を意味しています。中世以降物資の集散地として栄えました。その後豊臣秀吉も「北陸の物資は一切、他港へ出してはならない」という朱印状を下した事も見逃せないでしょう。
この写真の大樹は行基桜(エドヒガン桜)です。桜の幹の祠から炭が出てきたので、寺院が焼かれた時に焦げて、また再生されたと思われます。当時大木であったことから5~600年はたっていると予測されます。幹の径は約4m・樹高21.5m・樹幅22mですが、平成15年の大雪で北側の大枝が2本がさけ半分の姿になりました。蕾は赤く、花径が2cmと小さく散る前は純白になります。
然るに元亀三年(1572)織田信長と甥の信澄の連合軍によって悉く焼失してしまいました。その後佐久間大善大夫の寄進によって再建されたが、明治の廃仏毀釈によって末寺を失いげんだいの様相になっています。
不動明王護摩堂
滋賀県高島市今津町酒波 ☎0740-22-0338
参考引用掲載 近江西国三十三所観音巡礼
写真 ro-shin